父親側が親権確保するのは難しいってホント? ~教えて?!弁護士さん Vol.2~

キャリア@PRO人

父親側が親権確保するのは難しいってホント? ~教えて?!弁護士さん Vol.2~

引用元:キャリア@PRO人  父親側が親権確保するのは難しいってホント? ~教えて?!弁護士さん Vol.2~  

日本における離婚率は、ここ数年間35%程度を維持しており、離婚は珍しい事態ではなくなってきています。しかし夫婦間に未成年者がいる場合には、親権者を決めなければ離婚をすることが許されません。話し合いによって親権者を決めることが難しい場合には、家庭裁判所が親権者を決定することとなります(民法819条1項、2項)。

教えて?!弁護士さん第2回は、仕事を持つ父親として親権を確保したいFさん(32歳)の疑問に対し、どのような事柄に気をつければ良いのかを考えてみたいと思います。

今回の相談のポイントは、母親側にわたりやすい親権を、父親が確保する方法です。

親権者の決定に当たって裁判所が一般的に考慮するのは、監護能力、経済力、実家や親族の環境、従来の監護状況などの父母側の事情。それから、子どもの年齢・発育状況、従来の環境への適応状況、子どもの意思などの子どもの側の事情です。父母のどちらを優先的に親権者とするかが、法律であらかじめ定められているわけではありません。

しかし裁判所による手続きを行った場合、母親が親権者となるケースが8~9割と圧倒的に多い。裁判所の関与する離婚手続において、父親が親権者となることは困難であるといわざるを得ません。

裁判官が具体的に考慮するポイントを以下に記していきます。親権確保に向けてどのような取り組みを行うことが有利に働くのかを、一緒に見ていきましょう。

①いちばん大事なことは、とにかく子どもと接する時間を作ること。

裁判所が最も重視するのは、子どもの日常生活の世話を質量ともにどれだけ分担していたか、子どもと過ごした時間がどのくらい長かったかなどの監護実績です。父親が外で長時間働く家庭の多い日本では、このような背景から母親が親権者になりやすいと考えられます。

つまり親権者となることを望む父親としては、仕事の合間を縫ってできる限り子どもの面倒を見て、一緒に過ごすことが必要になってきます。ただしこれは、必ずしも独力で行う必要はありません。自分の両親や兄弟姉妹などのサポートを受けながら、子どもと接する時間をできる限り増やしていきましょう。

そして、普段から子どもの監護をしていたという事実を、日記に記したり他人に見てもらったりして証拠として残しておくことも必要です。パパと子どもと友だち家族で休日に遊びに出かけ、そのことをFacebookにアップする、ということでもいいと思います。

なお育児・介護休業法では、子どもが1歳になるまで(子どもが保育所に入れない、配偶者が育児を分担できない等の事情があれば、1歳半になるまで)は、育児休業ができる旨が定められています。父親・母親の区別なく、育児休暇の取得が保障されています。これは法が保障する最低限の育児休暇期間で、会社によってはこれを上回る期間の育児休暇が認められているところもあります。

同僚や上司の目が気になるかもしれませんが、子どものためを思って育児休暇の取得を申請してみてはいかがでしょうか。

②子どもがどちらについていきたいか?も大いに考慮されます。

子どもが15歳以上であれば、法律上、親権者の決定に当たっては子どもの意見を聴かなければならないとされています(家事事件手続法65条、152条等)。

たとえ子どもが15歳未満であっても、判例上では概ね10歳以上であれば、子どもの意思が尊重される傾向にあります。
①で述べたような監護実績を積み重ねることは、子どもに「父親と暮らしたい」という意思を持ってもらうためにも有効なわけですから、是非とも実践する必要があります。

③今の生活が、どこまで現状維持できるかも重視されます。

父親と母親が別居している場合には、子どもと生活を共にして世話をしている親のほうが、どうしても親権者となりやすいです。それは、子どもの養育環境をたびたび変えることは子どもの幸せに沿わないことであると、裁判所が考えているためです。

だからといって、別居に踏み切る際に強引に子どもを連れて家を出ることは、正直勧められません。子どもの連れ去りが行われた場合、裁判所はその連れ去りの悪質さを厳しくチェックします。違法性の強いかたちで子どもを連れ去ったと判断されれば、裁判所はその親を親権者とすることを嫌う傾向にあるからです。

あくまでも子どもの養育環境を第一に考えた上で、穏当な方法で子どもを連れていくことが必要ということですね。

④親としての適性が疑われる行動は、絶対にとってはいけません。

子どもに対して暴力を振るったり、育児を放棄したりするなどの「親失格」といわれるような行動だけは、絶対にとってはいけません。また不倫や限度を超えた浪費なども、それによって間接的に子どもに悪影響を与えたとして、裁判所がその親に親権を与えたくないと考える事情となり得ます。

特に子どもや配偶者に対する暴力の事実があれば、いわゆるDV防止法(正式には「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」という。)に基づく保護命令が発令される可能性が高いです。保護命令を受けてしまうと、数か月間子どもとの接触が禁止されてしまい、前述した現状維持の観点からも親権を確保することは困難になります。

このようなことを自ら行わないようにすることは当然ですが、逆にいえば、相手がこれらの行為に出ていたという証拠を集めることができれば、親権争いをそうとう有利に運ぶことができるでしょう。

⑤親権が相手にわたってしまっても、面会によって子どもとの交流は絶やさぬよう。

残念ながら親権が母親のものとなってしまった場合、父親は一生子どもに会うことはできないのでしょうか?

もちろんそうではありません。子どもとの面会(いわゆる「面会交流」)についての決定を裁判所に求めることが可能です(民法766条、家事事件手続法154条3項)。最初は手紙のやり取りから始まることもありますが、子どもとの親睦が深まれば、宿泊を伴った交流なども認められるようになってきます。

ただし、面会交流を継続させるためには、養育費の負担などが求められる場合もあります。中には釈然としない人もいるかもしれませんが、養育費の支払いも面会交流も、結局は子どもの利益のための制度です。多少不満に思ったとしても、父親として子どもとの交流を続けていくことが大切なのではないでしょうか。

子どもが幸せになれるかを第一に、親権について考えてみてください。

親権は権利という言葉を使っているものの、実質的には未成熟な子どもを保護・教育して心身の健全な成長を図るという、親の「義務」です。子どもの幸福のためにその義務を真摯に果たす者に、こそ親権が与えられるべき。つまり、親権者を決定する基準を一言でいうならば、「子どもを幸せにできるかどうか」に他なりません。

父親か母親かという問題ではなく、子どもの幸福を第一に考え、それを実現できる親にこそ、子どもの未来は託される。その覚悟と環境のある人のほうに、親権がわたることが望ましいのではないでしょうか。

プロフィール

窪田@メディア事業部マネージャー
窪田@メディア事業部マネージャー
エスアイイーメディア事業部のマネージャーをしている窪田です。このメディア事業部サイトの管理人でもあります。普段は自社運営の求人サイトやブログ系サイトの企画・制作・運営をしたり、思い付きでサテライトサイトを立ち上げたりしています。サイトは主にWordPressを使うことが多いです。理由はめんどくさくないから。

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